『奇跡の海/BREAKING THE WAVES』ラース・フォン・トリアー/Lars von Trier(1996)

独特の色彩とテンポ。それは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に共通している。奇妙なリアリティー。舞台は、プロテスタント信仰が残る70年代のスコットランド。厳しい戒律と長老達の存在。内部と外部。異常と正常。残酷さと無垢。近代的な医療の残酷さ。マージナルへ追いやられていく。犠牲によって回復する？舞台を過去に設定して現在を語る？神話によって現実を照射する？先日観た『ゴー・ナウ/GO NOW』も身体的な自由を奪われた男と女の話だった。